2011年10月10日月曜日

An Interesting Violin, probably Fussen circa. 1760 修復(その2)


先日、ブログにアップした、Fussenのオールドバイオリンですが、修復後、このような形になりました。写真の関係でちょっとてかてかしていますが、もう少し、塗装の艶が落ち着いた、風情のある楽器に仕上がっています。



柘植材のフィッティングをつけて見ました。古い楽器に良く合い、趣が感じられるようになりました。
うーん、やっぱり、お尻がいびつですね(笑) チャーミングです。


 横から見た限り、あまり、ハイアーチ具合は分かりづらいですね。


 この写真を見ていただけると、まさにオールドイタリアンのハイアーチっぷりが、お分かりいただけると思います。


F字抗の割れも、膠でうまく接着してもらいました。まずは、しばらく安心といったところです。


ブッシングもご覧の通り、痛々しいですが、直しました。

さて、肝心の音ですが、しっとりとした、シルバートーンです。 艶やかながら、落ち着いた音色です。Gaglianoのように、カンカンと音は出ませんが、低音から高音まで、柔らかく澄み通るように鳴ってくれます。

柔らかい弓との相性が良いようで、もう25年以上使っている柔らかな日本製の弓と相性が良いみたいです。

ただ、この楽器、右顎宛の下の表板と裏板が剥がれ易い持病をもっていることも分かりました。汗がしみこむと膠がはげてしまうみたいです。先日、千駄ヶ谷の楽器屋さんに調整に持ち込んだときも、その箇所が剥がれていたため面倒な修理をお願いすることになってしまいました。

250年以上前の楽器なので、何かとコンディションに気を使う楽器のようです。
とはいえ、奏いていて、一番、癒されると感じるのは、この楽器かなあと感じています。

うちの連れもこの楽器がお気に入りのようです。
「ぜったい手放しちゃダメ」って言っています。

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